尊厳死宣言公正証書の撤回について
「尊厳死」とは、回復の見込みのない末期状態の患者に対し、人間としての尊厳を保ちつつ、死を迎えさせることをいいます。これを希望する方が意思を明確に示すために作成するのが「尊厳死宣言公正証書」です。公証人がご本人の意思を聴取し、公正証書として残すもので、公証役場で作成されます。
では、一度作成した尊厳死宣言公正証書を撤回したい場合は、どうすればよいのでしょうか?
ご自身の心の中で「撤回した」と思っていても、それが周囲に伝わらなければ意味を持ちません。そのため、次のような方法が考えられます。
1. 公正証書で撤回する
元気なうちであれば、公証役場にて「撤回の公正証書」を新たに作成することが可能です。
2. 書面による撤回
公正証書でなくても、普通の用紙に「尊厳死宣言公正証書を撤回する」旨を記載し、日付・署名押印をすれば意思表示として有効です。すでに作成済みの公正証書を家族などに託している場合は、この撤回書面を一緒に保管してもらうと良いでしょう。
3. 医療機関・家族への通知
撤回の意思を確実に周知させることが大切です。家族や主治医など、医療判断に関わる方へ撤回の書面を渡し、複数の関係者に伝えておくことで、万一の際にも意思が尊重されやすくなります。
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